ハーレーの可能性を
最大限に引き出す
インジェクションチューニングとは、ハーレーのコンピューターのデータを書きかえを行い、ハーレー本来の可能性を最大限に引き出すことです。 2007年より、ハーレーは全てインジェクション仕様となり、エンジンのガス供給量と点火タイミング調整はすべてコンピューターの設定で行うようになりました。
市販されているハーレーは日本の規制(排気ガス規制や騒音規制)を基準に設定されているため、ハーレー本来のベストなセッティング状態とは若干異なる場合があります。ハーレーを手に入れた方が「自分が思い描いていたハーレーとは何か違う」と感じるのはこのことが原因だと考えられます。このコンピューターのデータを「ベストなものに書きかえる」ことにより、本来のハーレーが持つベストなセッティング状態に調整することができます。
あなたが、マフラーやエアクリーナーのカスタマイズを考えているのなら、チューニングは「必須」だと考えてください。インジェクションチューニングを行い、あなたの大切なハーレーが潜在的に持っている可能性を最大限に発揮させてあげましょう。
インジェクション
チューニングの流れ
実際にDYNOJET製シャーシダイナモ「Model250i」を使用したインジェクションチューニングの流れをご紹介いたします。
① 車体の基本チェックした後に、シャーシダイナモに車体をセットし、各部を再チェック。測定可能状態であることを確認します。
② 排気ガスセンサーが測定範囲の値になるかのチェックし、初期セットが完了したら、エンジンを始動。計測に適正な温度状態になるまで、ローラーにブレーキを掛けたり、エンジンに負荷を与えて暖気運転をします。
③「4速ロールオン」と呼ばれる方法で、チューニング前の性能を計測。ギアを4速に固定してスロットルを開きます。アイドリング付近からレッドゾーンの手前まで、一気に回転を上昇させて計測します。
④ アクセルの開度を100%全開や50%固定、25%固定など様々な条件で計測・記録します。このデータを基にチューニング用のベースデータを作成し、バイクのECMをフラッシュします。正確な空燃比をプログラムする為に、エンジンの吸排気や回転全域全域を計測していきます。
⑤ オートチューン機能で排気ガスの酸素濃度を測定し、エンジンの吸入空気量を計算。「VE」と呼ばれる充填効率のテーブルを自動的に生成します。
⑥ シャーシダイナモ自体にプログラムして、自動的に負荷を変更させることも可能ですが、高回転高負荷時など極力エンジンに負担を掛けない様に計測するのもチューナーの技術です。
⑦ 計測中は音や車体の挙動に注意し、テーブル全域が赤くなるように継続を続け、次のセットアップに反映させます。
※状況によっては計測を中断します。
⑧ 計測したデータをパワービジョンに保存し、専用アプリで開ければ新しいテーブルが出来ます。計測中に気付いた箇所の修正や変更を追加して、新たなプログラムを作成しECMをフラッシュします。
⑨ 再度「4速ロールオン」計測を実施し、変更箇所が反映されているかの確認をします。